特集 血管炎とアレルギー疾患 -内因性・外因性アジュバントの関わり-
Ⅳ.黄色ブドウ球菌外毒素による好酸球性副鼻腔炎の病態制御機構
岡野光博
1
Mitsuhiro Okano
1
1国際医療福祉大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科学教授
pp.764-772
発行日 2018年5月15日
Published Date 2018/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201806764
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好酸球性副鼻腔炎の病態は解明されていないが,黄色ブドウ球菌および黄色ブドウ球菌が産生する外毒素の関与が示唆されている。エンテロトキシンやα毒素などの外毒素は鼻茸細胞からの2型サイトカイン産生を誘導する。エンテロトキシンはスーパー抗原活性を有するが,2型サイトカイン産生についてはスーパー抗原としての働きは否定的であり,ICAM-1(intercellular adhesion molecule-1)を介した免疫応答と思われた。一方,外毒素の曝露で誘導されるIL(interleukin)-10やIL-22の産生不全が好酸球性炎症の増悪に関与する。