特集 プライマリケアに必携! アレルギー診療の基本ガイド
[Chapter 4] 気道系アレルギー疾患対応のための基礎知識
好酸球性副鼻腔炎・中耳炎
細川 悠
1
1埼玉医科大学病院 耳鼻咽喉科
キーワード:
嗅覚障害
,
内視鏡下鼻副鼻腔手術
,
dupilumab
,
感音難聴
Keyword:
嗅覚障害
,
内視鏡下鼻副鼻腔手術
,
dupilumab
,
感音難聴
pp.1150-1152
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika132_1150
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
▪好酸球性副鼻腔炎(ECRS)は嗅覚障害,両側の鼻茸,末梢血好酸球数高値,気管支喘息の合併を特徴とする副鼻腔炎である.
▪保存的加療の中心は,鼻噴霧ステロイド,ロイコトリエン受容体拮抗薬であったが,近年,抗IL-4受容体α抗体dupilumabが使用可能となっている.抵抗性のある症例には内視鏡下鼻副鼻腔手術の適応となる.
▪ECRSの嗅覚障害は罹病期間が長期にわたると治療成績に影響を及ぼすため早期の耳鼻咽喉科診察が望ましい.
▪好酸球性中耳炎(EOM)は,好酸球優位な中耳貯留液が存在する中耳炎で,ニカワ状の中耳貯留液,中耳炎に対する従来の治療に抵抗,気管支喘息の合併,鼻茸の合併,が特徴である.
▪EOMは悪化すると感音難聴へと進行して聾に至ることもあるため,難聴を自覚する場合は早期の耳鼻咽喉科診察が望ましい.
© Nankodo Co., Ltd., 2023