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POINT
●局所副腎皮質ステロイド単独では好酸球性副鼻腔炎を制御することができない。局所副腎皮質ステロイドはcontrollerとして,抗ロイコトリエン受容体拮抗薬やTh2サイトカイン阻害薬,マクロライド療法などと併用して用いる。
●副腎皮質ステロイド鼻噴霧薬と抗ロイコトリエン受容体拮抗薬を併用することで,それぞれの薬剤の単独治療と比較して,好酸球性副鼻腔炎において鼻茸の好酸球浸潤が抑制され,鼻茸の縮小効果が得られる。喘息の治療薬として,吸入副腎皮質ステロイド薬と長期作用型β2刺激薬の配合剤を併用することで,その作用が増強する。
●好酸球性副鼻腔炎に対する経口副腎皮質ステロイドの使用は,急性増悪期や術後に限った,短期間投与が原則である。
●好酸球性副鼻腔炎に対して内視鏡下鼻副鼻腔手術(ESS)を行った症例では再発率が高い。副腎皮質ステロイド鼻噴霧薬などを適宜,使用した術後加療が再発予防に大切である。
●好酸球性中耳炎の治療は喘息と同じ考えで行う。完治をめざすのではなく,制御する姿勢で臨む。治療は症状の軽減のみならず,難聴の進行の予防に有効である。
●一剤単独で効果が出ることは軽症例のみであるため,抗ヒスタミン作用を中心とした抗アレルギー剤を基本として,抗ロイコトリエン受容体拮抗薬やTh2サイトカイン阻害薬,トロンボキサンA2阻害薬を二剤併用する。二剤併用で症状が治まらないとき,局所副腎皮質ステロイド薬を追加使用する。
●好酸球性中耳炎をターゲットにした経口副腎皮質ステロイドの投与は気管支喘息にリバウンド発作を生じるリスクがあるため,中耳の状態で経口剤を投与することは原則行わず,気管支喘息の状態に合わせた使用としている。ただ初診時に多量の耳漏や高度の耳茸を認めるときには,治療の導入時に短期間,用いる。
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