特集 薬物アレルギーをめぐって
Ⅹ.薬物・化学物質による過敏性肺炎
井上幸久
1
,
宮崎泰成
2
,
稲瀬直彦
2
Yukihisa Inoue
1
,
Yasunari Miyazaki
2
,
Naohiko Inase
2
1東京医科歯科大学呼吸器内科
2東京医科歯科大学呼吸器内科教授
pp.676-683
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201805676
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・薬物・化学物質による過敏性肺炎の診断においては問診が重要であり,症状の出現と薬物使用歴や職場環境との関連性を詳細に聴取する必要がある。 ・吸入抗原だけでなく,薬物の経口・経静脈性投与でも過敏性肺炎を生じる。メトトレキサート(MTX)が有名であるが原因薬剤は多岐にわたる。 ・化学物質ではイソシアネートの頻度が高いが,近年では産業の多様化とともに職場環境におけるその他の低分子化学物質も原因となり得る。 ・治療の基本は抗原回避および薬剤中止であるが,中等症以上の症例ではステロイド治療を要する。