特集 過敏性肺炎の基礎と臨床 アップデート
Ⅹ.間質性肺炎の疾患関連遺伝子と過敏性肺炎
片柳真司
1
,
瀬戸口靖弘
2
Shinji Katayanagi
1
,
Yasuhiro Setoguchi
2
1東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科統合呼吸器病学
2東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科統合呼吸器病学特任教授
pp.1582-1593
発行日 2018年11月15日
Published Date 2018/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/32018121582
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特発性間質性肺炎に遺伝的背景が存在することは以前から知られていた。次世代シークエンサーの登場によってゲノムワイド関連解析(GWAS)やエクソーム解析が比較的短時間で可能となったことに伴い,疾患関連遺伝子の同定が容易になりつつある。家族性間質性肺炎ではサーファクタント代謝やテロメア関連の遺伝子が責任遺伝子として明らかにされ,またGWASにより,肺線維症の感受性や抵抗性,治療反応性に関わる多型も複数同定されている。現在のところ過敏性肺炎では大規模な遺伝子解析はなされていないが,今後の新たな研究展開が期待される。