特集 薬物アレルギーをめぐって
Ⅸ.薬剤添加物
渡邉直人
1
Naoto Watanabe
1
1東京アレルギー・呼吸器疾患研究所副所長
pp.666-675
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201805666
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薬剤添加物とは製剤に含まれる有効成分以外の物質で,容易な製剤化,品質の安定化,有用性の向上などの目的でほとんどの医薬品に添加されている。薬理作用を示さず無害でなくてはならないが,アレルギー症状を引き起こすことがある。主に添加物に含まれる食物由来のタンパク質が原因で,アナフィラキシーショックに至る場合もあり,食物アレルギー患者への投与は注意を要する。食物アレルギーを惹起する禁忌添加物は,塩化リゾチーム,カゼインやゼラチンなどである。また,気管支喘息やアレルギー疾患を有する患者への薬剤選択には添加物に慎重な配慮を要する。