特集 咳嗽をめぐって
Ⅰ.咳嗽のメカニズム
吉原重美
1
,
宮本学
2
Shigemi Yoshihara
1
,
Manabu Miyamoto
2
1獨協医科大学小児科学主任教授
2獨協医科大学小児科学助教
pp.484-492
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201804484
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咳嗽は日常で多く目にする臨床症状である。反射性にも随意的にも生じるが,そのメカニズムは複雑であり全ては解明されていない。近年の分子生物学的アプローチにより,末梢咳受容体から脳幹部咳中枢までの反射経路が明らかになってきた。本稿では,末梢咳受容体から求心性線維を介し脳幹部へ到達した刺激が,反射経路を通り,もしくは上位脳の制御を受け咳嗽が生じるまでのメカニズムを概説する。また,その作用機序から見た治療薬についても示す。