特集 咳嗽をめぐって
Ⅱ.好酸球性炎症を伴う咳嗽とグループ2自然リンパ球(ILC2)
加畑宏樹
1
Hiroki Kabata
1
1慶應義塾大学医学部呼吸器内科/コーネル大学医学部免疫学・微生物学教室/日本学術振興会海外特別研究員
pp.494-500
発行日 2018年3月15日
Published Date 2018/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201804494
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慢性咳嗽のうち,好酸球性炎症を伴う咳嗽(咳喘息,アトピー咳嗽,非喘息性好酸球性気管支炎)が半数以上を占めている。従来,好酸球性炎症はTh2細胞から産生される2型サイトカイン(interleukin〔IL〕-4やIL-5,IL-13など)によって引き起こされると考えられていたが,最近ではグループ2自然リンパ球(ILC2)も好酸球性炎症に寄与していると考えられている。特に,ウイルス感染後の好酸球性炎症にはILC2が関与し,気道におけるIL-33やthymic stromal lymphopoietin(TSLP),interferon(IFN)などの産生量によって,ILC2を介した好酸球性炎症が慢性化することが示唆されている。