特集 口腔アレルギー症候群(OAS) アップデート
Ⅰ.OASの概念
小野慧美
1
,
室田浩之
2
,
片山一朗
3
Emi Ono
1
,
Hiroyuki Murota
2
,
Ichiro Katayama
3
1大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学皮膚科学教室
2大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学皮膚科学教室准教授
3大阪大学大学院医学系研究科情報統合医学皮膚科学教室教授
pp.1017-1025
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201708015
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口腔アレルギー症候群(oral allergy syndrome:OAS)は食物アレルギーの特殊型に分類されるアレルギーである。本疾患概念の認識は広がりつつあるが,一般への認知はまだまだ低い。日常診療においてOAS症例が増加している印象があり,さらに症例の低年齢化も懸念される。しかし,食物アレルギーと同様にOASも疫学に関する詳細な情報はなく,国外では明確な診断基準も存在しない。このことを踏まえ,現段階でのOASに関する考え方及び実態に関する最近の報告を紹介し,診断において必要な因子と現状における問題について概説したい。