特集 口腔アレルギー症候群(OAS) アップデート
Ⅷ.甲殻類によるOAS
中村陽一
1
Yoichi Nakamura
1
1横浜市立みなと赤十字病院アレルギーセンター センター長
pp.1065-1072
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201708063
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甲殻類アレルギーにおける口腔・咽頭・口唇の粘膜症状は,皮膚症状に次いで頻度が高く,果物や野菜によるoral allergy syndrome(OAS)と異なり,アナフィラキシーも含めた全身症状に進展することが多い。原因アレルゲンの診断に際しては,プリックテストやエビ・カニなどに対する特異IgE抗体のほか,アレルゲンコンポーネントに対する抗体も加えて診断率の向上に努めるが,アナフィラキシー歴のない症例では必要に応じてチャレンジテストを実施する。なお,主要コンポーネントのトロポミオシンは,イカ,タコ,貝類,ダニ,ゴキブリ,寄生虫などとの共通抗原性を有するため,交差反応が起こり得る。