特集 口腔アレルギー症候群(OAS) アップデート
Ⅹ.OASとFDEIAの合併例
原田晋
1
,
森山達哉
2
Susumu Harada
1
,
Tatsuya Moriyama
2
1はらだ皮膚科クリニック院長
2近畿大学農学部応用生命化学科教授
pp.1083-1090
発行日 2017年7月15日
Published Date 2017/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201708081
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本来,口腔アレルギー症候群(OAS)ではクラス2抗原が,食物依存性運動誘発アナフィラキシー(FDEIA)ではクラス1抗原が原因抗原であると考えられており,たとえ同一の食物に対してこの両疾患を併発したとしてもその原因アレルゲンは異なるため,両疾患の合併は稀であると思われる。しかし,運動負荷によって症状が増強するOAS症例や,クラス2抗原の関与が疑われるFDEIA症例なども認められており,OASとFDEIAとの両疾患が発症に関連性を有している症例も現実的には少なからず存在しているのではないかと推測しうる。