特集 痒みのメカニズム2016
Ⅰ.痒みのメカニズム2016
片山一朗
1
Ichiro Katayama
1
1大阪大学大学院医学系研究科皮膚科学教室教授
pp.1185-1192
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201609009
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痒みは掻破行動をともなう不快な感覚と定義され,皮膚に存在するC線維と呼ばれる無髄神経により中枢に伝えられる。アトピー性皮膚炎などでは痒みの惹起,調節因子としてヒスタミンに加え,IL31,TSLPなどのサイトカインやサブスタンスPなどの神経ペプチドが注目されている。また脊髄レベルではMas-related G-protein receptor A3やNppb,GRPなど新しい痒みのメディエーターが報告され,解析が進んでいる。さらに暖まると痒みが増強する機序として,アーテミンと呼ばれる新たな神経成長因子の皮膚への蓄積の関与が明らかにされた。