特集 アレルギー疾患とバリア障害
Ⅶ.気道バリアとアレルギー
権寧博
1
,
丸岡秀一郎
1
,
水村賢司
2
,
橋本修
3
Yasuhiro Gon
1
,
Shuichiro Maruoka
1
,
Kenji Mizumura
2
,
Shu Hashimoto
3
1日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野准教授
2日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野
3日本大学医学部内科学系呼吸器内科学分野主任教授
pp.760-767
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201706058
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気管支喘息は,気道の慢性の炎症性病態と理解されており,環境因子の曝露により繰り返される上皮障害と,炎症により生じる気道粘膜の組織学変化やそれに伴う機能異常が,喘息の病態を形づくると考えられる。喘息患者の気道上皮は,上皮剥離や上皮バリア機能障害などの外来異物に対する粘膜透過性が亢進しており,また,このような上皮バリアの脆弱性は,上皮サイトカインの放出や自然リンパ球の活性化,気道のアレルギー性炎症と密接に関係している。本稿では,気道上皮のバリア障害についての最近の知見を解説すると共に,喘息の発症や重症化の病態メカニズムについて,気道上皮バリア機能の破綻という観点から考察する。