特集 アレルギー疾患とバリア障害
Ⅵ.腸管バリアとアレルギー
金倫基
1
,
長谷耕二
2
Yun-Gi Kim
1
,
Koji Hase
2
1慶應義塾大学薬学部生化学講座准教授
2慶應義塾大学薬学部生化学講座教授
pp.752-758
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201706050
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腸管は絨毛・ひだ構造を有しているため,大きな表面積を持ち,食物由来の栄養成分や水分,電解質などを効率的に体内へ吸収することができる。しかしその一方で,腸管は病原微生物や食物抗原などに曝される危険性を併せ持つ。そのため,腸管には粘液・腸管上皮細胞・腸管免疫系・腸内常在微生物(マイクロバイオータ)などからなる腸管バリアが存在し,生体にとって有害な外来抗原の侵入を防いでいる。この腸管バリア機能の低下はさまざまな疾患と深く関連していることが近年明らかになりつつある。そこで本稿では腸管バリア機能と疾患,特にアレルギー疾患について概説したい。