特集 アレルギー疾患とバリア障害
Ⅴ.皮膚バリア機能障害とアレルギー発症のメカニズム
二村恭子
1
,
松本健治
2
Kyoko Futamura
1
,
Kenji Matsumoto
2
1国立成育医療研究センター研究所免疫アレルギー・感染研究部
2国立成育医療研究センター研究所免疫アレルギー・感染研究部部長
pp.744-751
発行日 2017年5月15日
Published Date 2017/5/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201706042
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皮膚は人体の表面を覆い,外界との境をなす重要な臓器である。アレルギー性皮膚疾患であるアトピー性皮膚炎におけるバリア機能の低下は以前からよく知られていたが,近年では経皮的な抗原感作によって他のアレルギー疾患の発症に関与しうることに注目が集まっている。これらの感作の成立には,単純な皮膚バリア機能低下のみならず湿疹/皮膚炎によって2型免疫(Type2 Immunity)応答が増強していることが重要である。保湿剤等のスキンケアによって経皮感作と新たなアレルギー疾患の発症を予防する解決策の糸口となることが期待される。