特集 メディエーターと新しい受容体拮抗薬
Ⅶ.プロスタグランジンD2
白石良樹
1
,
浅野浩一郎
2
Yoshiki Shiraishi
1
,
Koichiro Asano
2
1東海大学医学部内科学系呼吸器内科学研究員
2東海大学医学部内科学系呼吸器内科学教授
pp.212-218
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201702058
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プロスタグランジンD2(PGD2)は,中枢神経系,心血管系,内臓臓器,脂肪組織,筋組織から毛包に至るまで全身の臓器で産生され,恒常性の維持や炎症に関与しているだけでなく,PGD2は,マスト細胞から放出される主要なプロスタノイドの1つであることから,アレルギー性疾患治療の創薬のターゲットとされている。しかし最近ではPGD2が炎症を起こすだけでなく,代謝物を介して炎症の収束にも関わっていることが明らかになってきた。このようなPGD2の役割を理解するためには,産生・代謝経路,受容体シグナルのクロストークについての理解が重要である。