特集 メディエーターと新しい受容体拮抗薬
Ⅰ.ヒスタミン
川内秀之
1
Hideyuki Kawauchi
1
1島根大学医学部耳鼻咽喉科学教授
pp.168-174
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201702014
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ヒスタミンは,鼻粘膜の三叉神経終末や血管内皮に存在するH1受容体のリガンドであり,H1受容体を介して惹起される,くしゃみ,鼻漏,鼻閉といった鼻症状発現において,最も重要な化学伝達物質である。一方,ヒスタミンH1受容体はG蛋白質共役型受容体であり,アミノ末端が細胞の外側を向き,細胞膜を7回貫通し,カルボキシ末端が細胞質側に位置する。生体内では2量体で存在してその機能を発揮すると考えられている。抗ヒスタミン薬のH1受容体への結合様式の理解は,薬理効果を考える上で重要である。