特集 メディエーターと新しい受容体拮抗薬
序 ~鼻粘膜における鼻汁と鼻閉のメディエーター~
大久保公裕
1
Kimihiro Okubo
1
1日本医科大学大学院医学研究科頭頸部感覚器科学分野教授
pp.163-166
発行日 2017年1月15日
Published Date 2017/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201702009
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鼻粘膜では種々の現象が生じている。そのメカニズムの原点は,多くはメディエーター,サイトカイン,ケモカインなどであると考えられている。アレルギー性鼻炎ではヒスタミン,ロイコトリエンを中心に多くのメディエーターが,くしゃみ,鼻汁,鼻閉の症状に密接に関与している。もちろん粘膜中の細胞浸潤にはサイトカインが大きな役割を演じている。本特集ではメディエーターとその新しい拮抗薬を紹介するが,この序文では鼻粘膜アレルギー反応におけるメディエーターの重要性についてヒスタミン,ロイコトリエンを解説する。試験的な反応ではロイコトリエンはヒスタミンより低濃度で反応を生じさせ得るが,実際にはヒスタミンの粘膜中濃度が高いため,メディエーターの強さと粘膜反応は一致しない。