特集 スギ・ヒノキ花粉症
III.抗ヒスタミン薬の有用性
川内秀之
1
Hideyuki Kawauchi
1
1島根大学医学部耳鼻咽喉科教授
pp.37-45
発行日 2013年12月15日
Published Date 2013/12/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201401037
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スギ・ヒノキ花粉症は,スギ花粉をアレルゲンとする代表的な鼻粘膜の I 型アレルギー疾患である。わが国の季節性アレルギー性鼻炎の大部分を占め,今や国民病と呼ばれるほど頻度の高い疾患である。花粉症患者の治療効果は症状の改善とともに,QOLの改善も併せて評価することが必須である。花粉飛散期の鼻症状や眼症状の改善を目的として,通常,くしゃみ・鼻漏型あるいは充全型の症状を有する患者には,第2世代抗ヒスタミン薬が広く用いられている。さらに,症状の改善が十分に得られない症例や,顕著な鼻閉症状を有する患者には,ロイコトリエン受容体拮抗薬やトロンボキサンA2受容体拮抗薬,さらにはステロイド鼻噴霧薬が併用(add on)されている。