特集 IgEをめぐる諸問題 アップデート
Ⅳ.IgEの産生とその制御
峯岸克行
1
Yoshiyuki Minegishi
1
1徳島大学先端酵素学研究所免疫アレルギー学教授
pp.1646-1651
発行日 2016年11月15日
Published Date 2016/11/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201612040
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IgEの産生制御の理解が重要であることは,そのアレルギー疾患発症への関与や寄生虫感染症に対する感染防御の観点から明らかであるが,その産生制御機構には明らかでない点が多く残されている。IgG産生機構の検討より,まず低親和性の抗体を産生する短期生存型のプラズマ細胞が,次に胚中心を経たメモリーB細胞と長期生存型のプラズマ細胞が高親和性のIgG抗体を産生することが明らかになってきたが,IgEにおいても同様かどうかは必ずしも明らかではない。細胞表面にIgEを発現するB細胞とプラズマ細胞は頻度が低く,IgEがB細胞の表面に存在する低親和性IgEレセプターに結合することからその検討は困難であったが,最近になってIgE遺伝子座を遺伝子改変したレポーターマウスの登場により,IgEの産生と制御に関して新しい知見が得られている。