特集 気道の炎症をめぐって
Ⅳ.IgE非依存性シグナル
松瀬厚人
1
Hiroto Matsuse
1
1東邦大学医療センター大橋病院呼吸器内科教授
pp.460-466
発行日 2017年3月15日
Published Date 2017/3/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201704038
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成人喘息の治療の発展により我が国の喘息患者のQOLや予後は劇的に改善した。しかし現在の治療薬の多くはTh2/IgE依存性の好酸球性気道炎症をターゲットとしており,感染,加齢,喫煙,肥満などに関連するTh2/IgE非依存性の好中球性気道炎症に有効な薬剤は乏しい。日本人に特有なアルコール喘息はアルコール代謝遺伝子に関連したIgE非依存性喘息の一型である。今後はTh2/IgE非依存性気道炎症の機序の解明と臨床で使用できる薬剤の開発が待たれる。