特集 アレルギーと自己免疫
I.免疫機能―最近の進歩
6.アレルギーの成立
2)IgE抗体産生の調節
奥平 博一
1
Hirokazu OKUDAIRA
1
1東京大学医学部物療内科
pp.59-61
発行日 1991年11月30日
Published Date 1991/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542900799
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はじめに
アトピー性疾患患者におけるIgE抗体産生の特徴は,高力価のIgE抗体が持続的に産生されているという点にある.1969年,Claman, H.らにより,抗体産生にはT細胞とB細胞の協力が必要であるという,いわゆるtwo cell theoryが発表されて以来,アトピー患者における持続的なIgE抗体産生は,体内に存在する微量のアレルゲンがT細胞,B細胞を不断に刺激し,継続的にIgE抗体産生細胞を産生し続けることによるというものであった.
しかし,1980年代前半,筆者らはアトピー患者における持続的なIgE抗体産生は,当時知られていなかった長寿命の抗体産生細胞(long-lived antibody forming cell;LL-AFC)の働きによるものであるとする考え方を提唱した.
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