特集 アレルギーとインターロイキン 最近の進歩
Ⅲ.IL-10とアレルギー
松下祥
1
Sho Matsushita
1
1埼玉医科大学医学部免疫学/アレルギーセンター 教授
pp.1490-1495
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201611030
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IL-10は代表的な抑制性サイトカインであり,当初は抗原提示細胞由来のT細胞のサイトカイン合成抑制活性を指標にして同定された。抗原提示細胞,Th2,Treg,Tr1などの様々な免疫担当細胞や気道上皮などが産生する。アレルギー免疫療法において,アナジーの誘導やIgG4産生の増強などを介してその効果を担っている。しかし,がん免疫の増強作用の発見をきっかけにして,抗炎症作用のみならず,その免疫応答増強作用も話題になっている。食物アレルギーモデルにおいては,マスト細胞を介してアレルギー増強的に作用する可能性も指摘された。