連載 アレルギーにかかわる免疫学の知識(6)
マスト細胞を活性化する要因と制御する要因
矢田純一
1
Junichi Yata
1
1東京医科歯科大学名誉教授
pp.1288-1295
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201609112
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マスト細胞を活性化に導く要因にはさまざまのものがあり,必ずしもIgEと抗原との反応によるだけではない。マスト細胞はその結果アレルギー反応にかかわるサイトカインを産生し,場合によっては化学伝達物質の放出も行う。したがって,IgEの関与がなくとも同様の症状がもたらせうるし,そうした要因はIgEによる反応を増幅することになろう。一方においてマスト細胞に制御をかける分子も数多く知られている。局面に応じそのいずれかが働いて過剰な反応に歯止めをかけているものと思われる。その欠陥はアレルギーを発症しやすくする要因になると考えられる。