特集 痒みのメカニズム2016
Ⅲ.脊髄後角アストロサイトと痒み
津田誠
1
Makoto Tsuda
1
1九州大学大学院薬学研究院ライフイノベーション分野教授
pp.1200-1205
発行日 2016年8月15日
Published Date 2016/8/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201609024
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アトピー性皮膚炎などに伴う慢性的な痒みにおける神経系メカニズムは依然不明である。筆者らは,アトピー性皮膚炎モデルマウス等を用いて,脊髄後角において転写因子STAT3依存的に長期活性化するアストロサイトと,同細胞から産生放出されるLCN2が痒みの慢性化に重要な役割を担っていることを世界で初めて明らかにした。この成果は,痒みの慢性化メカニズムの理解,そして将来的に神経系をターゲットとした慢性掻痒治療薬の開発へと繋がる可能性がある。