特集 免疫療法の現状と将来
Ⅳ.ペプチド免疫療法の現状と展望
岡野光博
1
Mitsuhiro Okano
1
1岡山大学大学院医歯薬学総合研究科耳鼻咽喉・頭頸部外科学准教授
pp.1080-1088
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201608038
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ペプチド免疫療法はアレルゲンを構成する一部のアミノ酸配列,すなわちペプチドを利用する治療法である。IgEと結合しないペプチド領域を用いることにより,アナフィラキシーなどのIgEが関与する副反応を引き起こすことなく免疫寛容を誘導することを主眼にしている。これまでに,主にネコアレルゲン,ハチ毒アレルゲンおよび花粉アレルゲンで検討が進められている。投与ルートとしては皮下注射から検討が進められ,現在では皮内注射や経口投与が試みられている。ペプチドはT細胞エピトープを用いることが多いが,T細胞エピトープを有しないIgG誘導型キャリア結合型ペプチドの開発も進められている。