特集 造血器腫瘍の微小残存病変(MRD)
6.AMLにおけるMRDと免疫療法,ペプチドワクチン療法の現状
越智俊元
1
,
安川正貴
2
Toshiki Ochi
1
,
Masaki Yasukawa
2
1愛媛大学大学院 医学系研究科 血液・免疫・感染症内科学 特任講師
2愛媛大学大学院 医学系研究科 血液・免疫・感染症内科学 教授
pp.1263-1272
発行日 2016年8月30日
Published Date 2016/8/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201609063
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同種造血幹細胞移植療法の治療効果を背景に,ヒトTリンパ球が認識できる白血病抗原を利用した細胞免疫療法が,放射線療法,化学療法に続く新しい治療法として開発されてきた。細胞免疫療法は,再発の危険性が高い微小残存病変(MRD)に対して,その効果を最も発揮できると考えられる。これまでにペプチドワクチン療法や,白血病特異的Tリンパ球輸注療法などの臨床試験が多数行われており,一部で治療効果が報告されている。本稿では,急性骨髄性白血病(AML)を中心とした血液腫瘍に焦点を絞り,MRDの評価と細胞免疫療法の現状に触れ,さらに今後の展望について概説する。