特集 エイズの臨床 アップデート
Ⅱ.予防としての治療(TasP)
松下修三
1
Shuzo Matsushita
1
1熊本大学エイズ学研究センター センター長/教授
pp.634-640
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201605022
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HIV感染者と非感染者のカップルを集め,抗ウイルス治療の早期開始が,パートナーへの感染を予防できたことを示したHPTN052試験(www.hptn.org)のインパクトは大変大きなものであった。治療が感染を予防することから,「予防としての治療(treatment as prevention:TasP)」と呼ばれ,HIV感染予防戦略の中心に位置づけられた。昨年,公表された最終結果においても,早期に抗ウイルス治療が開始され,ウイルス量が抑制されていれば,パートナーへの感染はほとんど阻止された。