特集 HIV感染症2013 ~現状と展望~
4.エイズ治療の最前線 1)侵入阻害剤
松下修三
1
shuzo Matsushita
1
1熊本大学 エイズ学研究センター 松下研究室 教授
pp.783-788
発行日 2013年5月30日
Published Date 2013/5/30
DOI https://doi.org/10.20837/5201306783
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侵入阻害剤は,これまで多剤併用療法(Combination anti-retroviral therapy:cART)に用いられてきた薬剤とは作用機序の異なる,「新しいクラス」の薬剤である。従来の薬剤に対する耐性の獲得や副作用のため治療継続が困難な症例に対して,多くの福音をもたらした。一方,初回療法としての有用性に関しては十分証明されていないものの,従来のcARTがもたらした長期合併症を回避するという目的や,治癒に向けた治療法の開発という意味で注目されている。