Urological Letter・149
Ⅰ.尿管結石の治療/Ⅱ.不都合な患者の予防の1方法
pp.490
発行日 1973年6月20日
Published Date 1973/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413201627
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尿管結石の治療は積極的な手術的治療か保存的治療か,という2つの方法に分かれる。もしも,痛みとか,発熱,尿管の閉塞と上部尿路の損傷がレ線検査で明らかであるというような重要な症状がなければ,結石の大きさが自然排出の可能性のある場合は,保存的治療方針が採られるべきである。自然排出の可能性がborderline上にあるとき,あるいは尿路閉塞と上部尿路損傷,発熱,疼痛の程度が排出を待てるか否かのborderlineにあるときには,患腎に尿管カテーテリスムス(1本か何本かで)を行ない,尿管が拡張して結石が排出されることを期待すべきである。
結石をバスケットで捕獲することは結石が尿管の下1/3にあるときだけに限定すべきである。高位にある結石にバスケットカテーテルを使うことは尿管の穿孔あるいは摧裂を起こし,尿管周囲膿瘍を作るような重大な危険がある。現在も好んで用いられるバスケットカテーテルはDormia型であり,これは極めてすばらしい器具である。
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