特集 アレルギー・免疫疾患と東洋医学
Ⅰ.基礎 1.最新の免疫学からみた東洋医学による治療戦略の意義
高橋秀実
1
Hidemi Takahashi
1
1日本医科大学微生物学・免疫学教室 教授/日本医科大学付属病院東洋医学科 部長
pp.349-356
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201603349
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体内「免疫システム」の応答が様々な病態形成の鍵を握る。この「免疫システム」は,主として皮膚や粘膜といった体表面に局在する「自然免疫」と,循環血液中に存在し全身に分布する「獲得免疫」とに大別され,体表面の「自然免疫」が体内の「獲得免疫」を制御している。前者「自然免疫」は,固有のレセプターを介し脂質関連分子群により活性化されるため,漢方薬に含まれる脂質制御分子群としてのサポニン(シャボン),アルカロイド,テルペノイドなどは「自然免疫」システムを活性化し体内「免疫システム」全体を統御すると考えられる。