特集 アレルギー・免疫疾患と東洋医学
Ⅰ.基礎 2.鍼灸と抗アレルギー作用・免疫調整作用
鶴浩幸
1
,
江川雅人
2
Hiroyuki Tsuru
1
,
Masato Egawa
2
1明治国際医療大学保健・老年鍼灸学講座講師
2明治国際医療大学保健・老年鍼灸学講座教授
pp.358-364
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201603358
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鍼灸刺激は免疫系やサイトカイン産生などに影響を与える可能性がある。また,鍼灸刺激は抗炎症作用,抗ヒスタミン作用などを有する可能性がある。鍼灸治療によりアトピー性皮膚炎の皮膚症状や皮疹重症度の改善,IgE値の低下などが認められることがあり,IgE値が低下した例ではTh1/Th2比が上昇する現象がみられることがあるため,鍼灸刺激がTh2の機能を相対的に抑制する可能性が示唆される。さらに,鍼または鍼通電刺激による鼻部皮膚温の低下や鼻腔通気度の改善なども報告されており,鍼灸治療は抗アレルギー作用,免疫調整作用などを含む様々なメカニズムを介して,アレルギーの改善に寄与できる可能性があると考えられる。