特集 エイズの臨床 アップデート
Ⅷ.HIV感染と自然免疫
高橋秀実
1
Hidemi Takahashi
1
1日本医科大学微生物学・免疫学教室主任教授
pp.684-690
発行日 2016年4月15日
Published Date 2016/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201605072
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
HAART治療を行った患者において,末梢血中にHIV感染細胞が認められなくなった状態においても,その小腸回盲部にHIVが感染したNKT細胞が多数認められる。このことは,主たるHIVの感染標的がCD4陽性ヘルパーT細胞ではなく,Th1型細胞性免疫不全を誘発するNKT細胞であることを物語っている。本稿では,このHIV感染NKTの制御に関わる細胞がVγ1を有したγδ型T細胞であることを示した筆者らの最近の知見を紹介し,HIVの新たな治療戦略について考えてみたい。