特集 アレルギー・免疫疾患と東洋医学
序~生体防御を東洋医学ではどうとらえるか~
佐藤弘
1
Hiroshi Sato
1
1新潟医療福祉大学教授/東京女子医科大学名誉教授
pp.345-347
発行日 2016年2月15日
Published Date 2016/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201603345
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東洋医学では,生体内を循環する要素として,気血水の3つを仮定し,内臓機能を五臓六腑として把握してきた。これら三要素あるいは五臓の調和が乱されたときに病が発生すると考えている。東洋医学においては,生体への霍乱因子に対する生体防御の中心は,「気」の作用と考えられている。中でも東洋医学古典に記載される「衛気」と自然免疫との関連性を示した最近の研究報告に接し,生薬あるいは漢方処方の疾患に対する有効性の検討だけではなく,東洋医学における生理病理概念を対象にした研究の発展をも今後期待したい。