原著
エピナスチン塩酸塩点眼液ベンザルコニウム塩化物(BAK)フリー製剤のスギ花粉の抗原溶出に対する影響
深川和己
1
,
萩原由美
2
,
大橋ときえ
2
,
長野
2
Kazumi Fukagawa
1
,
Yumi Hagiwara
2
,
Tokie Ohashi
2
,
Takashi Nagano
2
1両国眼科クリニック
2参天製薬株式会社 グローバル非臨床研究統括部
pp.286-292
発行日 2016年1月15日
Published Date 2016/1/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201602124
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エピナスチン塩酸塩点眼液がベンザルコニウム塩化物不含製剤(BAKフリー製剤)に変更されたことから,本製剤のスギ花粉からの主要抗原の溶出に対する影響をin vitro試験にて検討した。 スギ花粉粒子に点眼液を処置後,スギ花粉の主要抗原Cry j 1およびCry j 2の溶出量を測定した。その結果,エピナスチン塩酸塩点眼液BAKフリー製剤群の抗原溶出量は,いずれの抗原も従来製剤およびオロパタジン塩酸塩点眼液群と比較して有意に低値を示した。 以上より,エピナスチン塩酸塩点眼液のBAKフリー製剤は,スギ花粉からの抗原溶出が従来製剤よりもさらに少なく,スギ花粉による季節性アレルギー性結膜炎に対してより有用な製剤であると考えられた。