特集 免疫療法の現状と将来
Ⅰ.皮下免疫療法の現状と展望:喘息
杣知行
1
,
永田真
2
Tomoyuki Soma
1
,
Makoto Nagata
2
1埼玉医科大学呼吸器内科・アレルギーセンター准教授
2埼玉医科大学呼吸器内科・アレルギーセンター教授/センター
pp.1056-1064
発行日 2016年7月15日
Published Date 2016/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201608014
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アレルゲン免疫療法(allergen immunotherapy:AIT)はアレルギー疾患の免疫応答を是正し,疾患の自然経過を修飾することを可能とする。喘息については日本のガイドラインではオプションと位置づけされているが国際的には注目されており,AITの有効性を裏付ける知見が集積されてきている。日本では施行可能な施設が少ないことなどから,普及が進んでいない現実がある。しかし日本でもスギ花粉の舌下免疫療法が可能となったことなどから免疫療法を重視する気運が高まってきている。近年,ダニアレルゲンの標準化が行われ,また喘息における皮下注射での使用が可能となった。そして適正使用を目的として日本アレルギー学会より手引書が刊行された。本稿では喘息に対する皮下免疫療法に焦点を当てて解説する。