特集 ファーマコメトリクス~創薬と薬物治療マネジメントでの活用~
5.創薬臨床開発におけるファーマコメトリクス
飯田理文
1
1中外製薬株式会社トランスレーショナルクリニカルリサーチ企画部臨床薬理解析グループ・グループマネジャー
pp.1265-1269
発行日 2017年5月1日
Published Date 2017/5/1
DOI https://doi.org/10.20837/12017051265
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新薬開発の失敗は,臨床試験の後期だけではなく,非臨床試験から前期臨床試験の間で失敗するケースも多い。そこで,モデルに基づいた予測を創薬段階から新薬開発に活かそうと考えられている。そのアプローチの方法として,生理学的薬物速度論モデル,定量的システム薬理学モデルが代表にあげられる。前者は相互作用予測のみならず,ヒトに投与する最初の臨床試験で,どの程度の血漿中濃度を示すのかという問題に対しても有用である。後者は体内の生理学的システムを数学的に記述し,そこに薬剤効果を付与することにより,有効性,安全性の予測を可能とする。
今回紹介した手法の多くはまだ検討途中であり,創薬の主役になれるかどうかは,今後の研究成果によると考えられる。