特集 診療力を上げる! 症例問題集
第3章 腎 臓
総 論
秋山 健一
1
,
花房 規男
1
1東京女子医科大学腎臓内科/血液浄化療法科
pp.612-616
発行日 2019年4月1日
Published Date 2019/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika123_612
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腎臓病を症状・所見から考えたときには,肉眼的血尿や浮腫など明らかなものから,いわゆる機会血尿,機会蛋白尿,無菌性膿尿など無症状のものまで多彩な臨床症状を呈する.疾患から考えたときには,日常診療において,糸球体腎炎のほか,メタボリック症候群の増加と高齢社会を反映した糖尿病性腎症および高血圧性腎硬化症はよく経験される疾患であり,常に念頭に置いておく.病態から糸球体性,尿細管間質性,血管性,全身性(糖尿病性腎症/糖尿病性腎臓病,全身性エリテマトーデスによるループス腎炎,敗血症性ショックに伴う急性腎障害,多発性骨髄腫や原発性アミロイド―シスに伴う腎障害など)に大別される.症状,病歴,家族歴,所見,疾患,病態の軸をもとにして,何がその患者で起きているのかを推測しながら診断・治療を進めていく.
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