特集 最近の大気汚染とアレルギー疾患
II.環境汚染とアレルギー 3.黄砂とアレルギー
岸川禮子
1
Reiko Kishikawa
1
1国立病院機構福岡病院アレルギー科医長
pp.1502-1507
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201410048
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我が国に飛来する黄砂は4~6μmでシリカを主成分とし,微生物の一部や大気汚染物質が付着しており,前後あるいは同時に光化学オキシダントなどのPM2.5が飛来する。動物実験では喘息の悪化,スギ花粉症の悪化が証明されている。ヒトでは主に日本海側の地域でアレルギー性鼻炎・花粉症悪化が見られ,強い黄砂時は喘息児の悪化入院が増加する。成人喘息では鼻炎などアレルギー疾患合併例の悪化が見られた。通常の生活を送る大学生と中高年家族の調査では鼻・眼・咽頭症状スコアが上昇し,アレルギー有りの群で影響が強い。