特集 気道炎症の評価
I.内 科 3.呼気中一酸化窒素,一酸化炭素の有用性と課題
平野綱彦
1
,
松永和人
2
Tsunahiko Hirano
1
,
Kazuto Matsunaga
2
1山口大学医学部附属病院呼吸器・感染症内科 准教授
2山口大学医学部附属病院呼吸器・感染症内科 教授
pp.1368-1377
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201510030
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呼気ガスである一酸化窒素(NO)や一酸化炭素(CO)は,非侵襲的かつ簡易的に測定できるため,実臨床において有用なバイオマーカーである。前者は,気道炎症を反映し,特に喘息の補助診断法として確立されており,今後は難治性喘息,喘息合併COPD,好酸球性肺炎など喘息以外の呼吸器疾患のバイオマーカーとなりうるか検討が必要である。一方,後者は,現在の喫煙状況の客観的評価法として確立されているが,現時点では呼吸器を含む炎症性疾患については特殊な状況を除くと評価が定まっていないため,呼気COに今後の研究の進展が望まれる。