特集 重症薬疹の診断と治療 アップデート
IX.重症薬疹の予後
狩野葉子
1
Yoko Kano
1
1杏林大学医学部皮膚科学教室 臨床教授
pp.1248-1254
発行日 2014年7月15日
Published Date 2014/7/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201408080
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重症薬疹にはStevens-Johnson症候群/中毒性表皮壊死症(SJS/TEN)と薬剤性過敏症症候群(DIHS)が含まれる。SJS/TENでは治癒後に眼後遺症を引き起こすことが知られているが,この他,呼吸器,食道,外陰部などにも瘢痕性の病変をもたらす場合がある。一方,DIHSでは回復した後数カ月~数年を経て,多彩な自己抗体が出現したり,自己免疫性甲状腺炎,劇症1型糖尿病などを発症することがある。治療との関係や制御性T細胞の機能不全の関与が推測されている。重症薬疹回復後の長期の経過観察が必要である。