特集 アレルゲン免疫療法~臨床の最前線~
IX.免疫療法によるアナフィラキシーへの対応
中村陽一
1
Yoichi Nakamura
1
1横浜市立みなと赤十字病院アレルギーセンター長
pp.1110-1118
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201407082
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皮下注射による免疫療法(SCIT)で発生するアナフィラキシーの頻度は約0.2%と報告されている。舌下免疫療法(SLIT)ではアナフィラキシーはほとんど起こらないとされるが実際は11例の症例報告があり,その普及につれて増える可能性がある。免疫療法におけるアナフィラキシーの重要な危険因子は気管支喘息の合併である。発作の頻発や一秒量が安定期の70%以下となるようなコントロール不良状態は禁忌である。免疫療法の実施に際しては,アレルゲンの過量投与やβ受容体遮断薬の併用などを避けるとともに,アナフィラキシーが起こった場合は即座にエピネフリン筋注などの対処が必要である。