特集 職業・環境アレルギーの最前線
Ⅹ.職業性アナフィラキシーの最前線
小松﨑恵子
1
,
中村陽一
1
Keiko Komatsuzaki
1
,
Yoichi Nakamura
1
1横浜市立みなと赤十字病院アレルギーセンター
pp.1526-1533
発行日 2017年10月15日
Published Date 2017/10/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201711094
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職場において原因物質の曝露により感作され,職場環境で発症あるいは増悪するアナフィラキシーは「職業性アナフィラキシー」と定義される。原因としては,昆虫の刺咬傷によるアレルギー・ラテックスアレルギーがよく知られているが,近年食品を取り扱う調理師等が経皮感作により食物アレルギーとなり,アナフィラキシーを発症する症例の報告が増えている。抗原からの回避対策とアドレナリン自己注射キット(エピペン)の携帯が有効であるが,食物アレルギーの場合,職場以外の場所でもくりかえし経口摂取することがあり,感作が職場で生じる可能性の認識が,患者・医療者両者にとって重要である。