特集 アレルギー疾患ガイドライン改訂について
VIII.トピックス 7.石鹸による小麦アレルギー
福冨友馬
1
Yuma Fukutomi
1
1国立病院機構相模原病院臨床研究センター診断・治療薬開発研究室室長
pp.503-510
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201403119
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近年,“(旧)茶のしずく石鹸”に含有されていた加水分解コムギへの経皮経粘膜感作が原因で,経口コムギアレルギー患者が多く発症し社会問題になっている。本稿では,この問題の経緯,当該疾患の臨床像,抗原性解析の知見について解説する。加水分解コムギ含有製品,特に“(旧)茶のしずく石鹸”でこれだけ大きな事故になった原因には,含有されていた加水分解コムギの分子量の高さとその含有濃度の高さ,グルテンの脱アミド化による抗原性の上昇,「眼球・鼻粘膜への大量曝露」という曝露形態,が関与していた可能性が示唆されている。