特集 —そこが知りたい—消化器外科手術のテクニックとコツ96
胃・十二指腸
幽門形成・ミクリッツ法
二川 俊二
1
,
渡辺 勇
1
Shunji FUTAGAWA
1
,
Isamu WATANABE
1
1順天堂大学医学部第2外科
pp.782-783
発行日 1988年5月30日
Published Date 1988/5/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407210027
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門脈圧亢進症による食道静脈瘤に対する直達手術を行う際に,術後の胃内容の停留防止のために,幽門形成術は一般にルーチンに行われている.選択的近位迷走神経切離の場合には理論的には,不必要と考えられるが,術直後には一過性の神経マヒと考えられる症状がみられ,全例に1〜2ヵ月の胃排出障害がみられ,胃内容停滞からの胃炎から胃出血がみられ,栄養不良状態をきたし,手術成績の不良につながる.したがって,幽門形成術は必要な操作となり,その確実性からHeinecke-Mikulicz法が用いられる.以下,その要点を述べる.本法は門脈圧亢進症例の直達手術時のみでなく,食道全摘後の胃管造設時,ドレナージ術が必要な時に一般的に用いられる手技である.
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