原著
COPD(慢性閉塞性肺疾患)に対するホルモテロールの臨床効果
河原伸
1
,
周藤眞康
2
,
前田俊章
3
,
前田典子
3
,
河田一彦
4
,
角南宏二
5
,
多田敦彦
6
,
松尾圭祐
7
,
永井宏
8
Shin Kawahara
1
,
Michiyasu Sudo
2
,
Toshiaki Maeda
3
,
Noriko Maeda
3
,
Kazuhiko Kawada
4
,
Koji Sunami
5
,
Atsuhiko Tada
6
,
Keisuke Matsuo
7
,
Hiroshi Nagai
8
1河原内科医院
2すどうクリニック
3まえだ診療所
4かわだファミリークリニック
5角南内科
6府中市民病院
7まつお内科クリニック
8ながい内科クリニック
キーワード:
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
,
気管支拡張薬
,
長時間作用性β2刺激薬
,
ホルモテロール
,
臨床効果
Keyword:
COPD(慢性閉塞性肺疾患)
,
気管支拡張薬
,
長時間作用性β2刺激薬
,
ホルモテロール
,
臨床効果
pp.530-539
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201403146
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新たに上市された長時間作用性β2刺激薬(LABA)であるホルモテロール(ホルモテロールフマル酸塩水和物)の臨床効果を評価すべく,19例の慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者を対象にタービュヘイラー®を用いたホルモテロール吸入薬(1回9μg,1日2回吸入)による治療を12週間行い,吸入前後の呼吸機能,COPD症状およびQOL,アンケート調査による患者の評価について検討した。FEV1はホルモテロール吸入前に比べて吸入3分後に有意な増加を認め(p=0.0133,対応のあるt検定),試験開始4週後,8週後,12週後にも有意なFEV1の増加がみられ(p=0.0009,p=0.0003,p=0.0002,対応のあるt検定),12週にわたりFEV1の平均変化率は維持されていた。また,COPD症状スコアとCATスコアを用いた評価ではいずれにおいても吸入早期から全ての項目で有意にスコアが減少し,12週にわたり臨床症状の改善が認められた。さらに本剤の利便性や効果についての患者アンケート結果より,他のCOPD治療薬と比べて同等以上の評価が得られた。また,安全性においても大きな問題は認められなかった。 ホルモテロールは速やかな効果発現と長期的な改善効果を有し,QOLの改善に寄与できる上に,その速効性によりアドヒアランスの向上が期待できることから,安定期COPD治療の第一選択薬として有用な薬剤であると考えられた。