特集 職業性アレルギー疾患診療ガイドライン発刊について
IV.職業性過敏性肺炎
釣木澤尚実
1
,
押方智也子
1
,
佐藤一博
2
,
秋山一男
3
Naomi Tsurikisawa
1
,
Chiyako Oshikata
1
,
Kazuhiro Sato
2
,
Kazuo Akiyama
3
1国立病院機構相模原病院 アレルギー科
2福井大学医学部環境保健学准教授
3国立病院機構相模原病院 病院長
pp.791-800
発行日 2014年4月15日
Published Date 2014/4/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201405041
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職業性過敏性肺炎の診断における最大のポイントは職業性過敏性肺炎を疑うことである。したがって問診が最も重要であり,病歴,特に職業歴を詳細に聴取する必要がある。また他のアレルギー疾患(喘息,皮膚炎など)を併発することがあることも考慮する。吸入誘発試験は過敏性肺炎の抗原同定のための確定診断に有用であるが,増悪のリスクを伴うため必須の検査ではない。治療として抗原回避は不可欠であり,軽症例では抗原回避により自他覚症状は改善するが,線維化が進行すると離職により抗原回避後にも病状が進行することがあることを考慮する必要がある。