特集 自己炎症症候群:稀な遺伝性疾患からリウマチ・アレルギー疾患へのメッセージ
VIII.中條-西村症候群
金澤伸雄
1
Nobuo Kanazawa
1
1和歌山県立医科大学皮膚科講師
pp.1456-1463
発行日 2013年9月15日
Published Date 2013/9/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201310070
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中條-西村症候群は,発熱・皮疹などの慢性反復性の炎症と進行性の脂肪萎縮・関節拘縮を特徴とする,古くて新しい遺伝性自己炎症疾患である。1939年の中條の報告以来,和歌山・泉南を中心とした関西と関東・東北地方に症例が集中し本邦特有とされたが,2010年以降,欧米・中東から臨床的に酷似するJMP(joint contractures, muscular atrophy, microcytic anemia and panniculitis-associated lipodystrophy)症候群とCANDLE(chronic atypical neutrophilic dermatosis with lipodystrophy and elevated temperature)症候群が報告され,3疾患ともPSMB8遺伝子変異によるプロテアソーム機能不全症であることが明らかとなった。抗核抗体が陽性になる例もあり,自己炎症と自己免疫をつなぐ病態として注目される。