特集 気管支喘息の研究 アップデート
VIII.分子標的治療をめぐって
長瀬洋之
1
,
大田健
2
Hiroyuki Nagase
1
,
Ken Ohta
2
1帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科
2帝京大学医学部内科学講座呼吸器・アレルギー内科/国立病院機構東京病院院長
pp.1020-1026
発行日 2013年6月15日
Published Date 2013/6/15
DOI https://doi.org/10.20837/3201307076
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喘息病態におけるIL-13,IL-5等のTh2サイトカインの重要性は動物実験で示されてきたが,ヒトでの介入試験の結果が近年報告されている。抗IL-5抗体,抗IL-13抗体,IL-4Rα阻害薬,抗IL-4Rα抗体の有効性が示されている。ただし,これらの分子標的薬は,好酸球数やペリオスチン値,IL-4Rαの遺伝子多型等によって効果が異なることから,該当分子の機能を示唆するバイオマーカーの確立も,きわめて重要である。その他,CRTH2,CCR3,CCR4,TLR9,TSLPへの介入が模索されている。