Japanese
English
原著
第VIII型と思われるEhlers-Danlos症候群の1例
A Case of Ehlers-Danlos Syndrome Probably of Type VIII
山蔭 明生
1
,
前田 秀文
1
,
内山 安弘
1
,
北畠 雅人
1
,
石川 英一
1
Akio YAMAKAGE
1
,
Hidefumi MAEDA
1
,
Yasuhiro UCHIYAMA
1
,
Masato KITABATAKE
1
,
Hidekazu ISHIKAWA
1
1群馬大学医学部皮膚科教室
1Department of Dermatology, Gunma University School of Medicine
pp.181-187
発行日 1985年3月1日
Published Date 1985/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1412203207
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Ehlers-Danlos症候群は皮膚過伸展,関節の過動性,組織の脆弱性を主徴とする遺伝性結合織疾患である.我々はEhlers-Danlos症候群の第VIII型と診断すべき臨床所見を有する1症例を経験し,皮膚結合織を電顕的・生化学的に検討した.臨床像:55歳男子.次女が外傷部に紫斑を生じ易い以外は家族内に同症をみない.7,8年前より皮膚の過伸展,菲薄化,擦過時の疼痛出現,その後,罹患部位の拡大と共に皮下出血斑を伴う様になった.著明な歯肉炎を合併しており,顎骨X線像にて歯周囲炎を認めた.関節の過伸展はない.検索:生化学的にI型コラーゲンの減少,デルマタン硫酸の減少,ヒアルロン酸の増加を,免疫組織学および電顕学的に線維間基質でのプロテオグリカン凝集体構造の欠如を認めた.これらの検索結果はプロテオグリカンないしプロテオグリカン凝集体構造の形成異常がコラーゲンの凝集阻害を来し,臨床的異常を招来している可能性を示唆する.
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